Q. ドナーコーディネートって何ですか?
A. HLA (白血球の型)が患者さんと適合したドナー登録者(この段階では「ドナー候補者」)が、最終的に骨髄提供者として選ばれ、骨髄を患者さんに提供するまでの調整を「ドナーコーディネート」といっています。この間には、コーディネーターによる面談、説明と同意、各種の検査が行われます。コーディネーターは全国の各地区事務局に配置され、ドナーの方と病院や財団(骨髄バンク)との連絡・調整を担当します。
Q. ドナーに選ばれる確率はどのくらいでしょうか?
A. 1992 年から2005年3月までの実績によると、ドナー登録者累計約26万人に対し実際に提供した人は延べ6341人となっています。つまり、ドナー登録者 41.3人に1人(2.4%)が骨髄を提供していることになります。最終的に提供を受けた患者さんは6339人ですが、患者さんとHLAが一致したドナー登録者は累計約7万7000人(約29.6%)です。
Q. ドナー候補者になると、最初の連絡はどんな方法で来るのですか?
A. 患者さんとHLAが適合すると、財団から「骨髄ドナーコーディネートのお知らせ」「問診票」や「骨髄提供者となられる方へのご説明書」などの関係書類が入った大型の封筒をお送りします。
問診票は4枚あります。各項目にご記入のうえ、同封の財団あて封筒でご返送ください。コーディネートの進行に問題がないことが確認されると、担当地区事務局のコーディネーターが電話を差し上げ、骨髄提供についての詳しい説明と「確認検査」のため、財団が指定する施設にお越しいただく日程を調整させていただきます。
登録してすぐに連絡がある方もいれば、10年以上経ってから連絡がある方もおられます。ドナー登録から候補者の一人として連絡があるまでの期間は、人によってさまざまですが、平均すればおよそ2年10カ月となっています。
Q. 連絡があるまでの留意点はなんですか?
A. ドナー候補者の方へ連絡をしてみると、健康上の問題で結果的にコーディネートが終了になるケースが多くあります。特段の留意点はありませんが、健康を保持されることは提供の有無にかかわらずご自身のためになります。また住所変更や健康状態が変化したときは、登録先の骨髄データセンターへ連絡の上、変更手続きをお願いします。
Q. 登録後に服薬を始めましたが?
A. コーディネート開始時や、コーディネートが始まってからも医師処方の薬を服用されているようでしたら、注意が必要です。ドナー候補者の判断で服薬を中断することは、病気の悪化につながります。服薬中は治療中とみなされ、コーディネートを進めることはできません。服薬が中止できるようなら提供は可能ですが、詳細は地区事務局や医師にお尋ねください。
Q. 献血は継続しても大丈夫ですか?
A. 登録中は差し支えありません。コーディネート開始以降は貧血や検査データに異常値が出る可能性があり、提供時期が早まる可能性もあるため、控えていただいています。
Q. 海外への旅行や出張、長期滞在が予定されているのですが?
A. 海外に長期滞在予定がある場合は、ドナー登録を一定期間保留としてください。また、コーディネート中の場合は、渡航先の地域・期間によって対応が異なりますので、海外渡航の予定がわかった時点で、速やかに担当コーディネーターもしくは地区事務局までお知らせください。
渡航地域・期間によっては、コーディネートを進めることができないか、一定期間骨髄提供ができない場合があります。例えば、マラリア感染地域に渡航した場合などがそれに当たります。また、マラリア感染地域以外であっても、海外から帰国後28日以内の骨髄提供はできないことになっています。それ以外にも、欧州各国に一定期間滞在した場合は、コーディネートは終了となります。
なお、骨髄採取予定日の1カ月以内の海外渡航は、自粛をお願いしています。
Q. 確認検査は近くの施設で受けたいのですが?
A. 確認検査は、財団が委嘱した調整医師(骨髄移植と骨髄採取について熟知している医師)がドナーへの医学的な説明をし、さらにドナーの意思確認・採血を責任をもって実施します。そのため、調整医師の所属している病院でしかできません。ご了承ください。
Q. 確認検査の同意書は不可欠でしょうか?
A. 検査用の採血を含めた同意書になりますので、どの項目でも同意していただけない場合は、コーディネートを進めることはできません。
Q. 最終同意を撤回することはできますか?
A. 最終同意後、患者さんは移植の準備(前処置)のため、致死量を超える抗がん剤の投与と放射線照射を受けるので、造血機能を失います。この時点で骨髄移植を受けられなくなってしまうと患者さんの生命に直接関わってきますから、最終同意書に署名・捺印後の撤回はできません。そうならないためにも、よくお考えいただいたうえで同意をお願いします。また、必ずご家族の協力・同意を得るようにしてください。
Q. 最終同意面談以降の、生活上の留意点はなんですか?
A. 最終同意のあとは、骨髄提供日に合わせて健康診断や自己血の採血などがあります。健診の結果、ドナーに健康上の問題があった場合は、骨髄採取が延期または中止になることがあります。また、患者さんの前処置は移植の1~2週間前から始まります。健康保持に留意されることはもちろん、過度の運動はお控えいただいたり、事故などにも遭わぬように注意したりしていただければと思います。
Q. 骨髄採取はいつごろ?都合(土・日曜など)は聞いてもらえますか?
A. 個々の例によって違いがありますが、確認検査から採取まではだいたい3~5カ月となっています。入院期間は3泊4日が最も多いのですが、土・日曜は対応できないところがほとんどです。そのため、時期・曜日は必ずしもご要望に添えるとは限りません。コーディネーターにご相談ください。
Q. 採取病院(病室)や麻酔方法は選べますか?
A. 骨髄採取はドナーの安全を第一に、骨髄バンクが認定した経験豊富な病院で行われます。採取病院は、可能なかぎりドナーの方の希望を伺って調整しますが、必ずしも希望に添えない場合もあります。日程は施設の状況を確認し、相談させていただきながら調整を進めますので、財団が勝手に決めてしまうことはありません。病室については、採取施設の都合が優先されます。麻酔は原則として全身麻酔で行われます。
Q. 採取後の健康に対する影響はどんなものでしょうか?
A. 採取直後の症状は人によってさまざまですが、ドナーアンケートによれば採取翌日の軽微な症状は「38度以上の発熱」(14%)や「排尿時の痛み」(10%)などがあります。採取に伴う危険性は「ゼロ」ではありませんが、日本の骨髄バンクでは死亡事例は起きていません。骨髄採取にかかわる死亡例は過去に世界で 4例あり、日本では血縁者間移植に1例あります。発熱や血圧低下など軽微な合併症は数%起きており、骨髄バンクにおいて後遺障害保険が適用されたのは、これまでに6例あります。詳しくは「提供者のアンケート結果」をご覧ください。
Q. 国際コーディネートと、国内コーディネートとの違いはなんですか?
A. 基本的な事柄に大きな違いはありません。ただ、国際コーディネートでは骨髄を海外へ運搬する関係で、採取病院は関東、近畿、中部、九州などの大都市に限られる場合もあり、自宅から離れた病院に入院していただくケースがあります。また、海外へ運搬するため採血量が国内と若干変わってくる場合もあります。
Q. 患者さんの移植後の経過を知りたいのですが?
A. 骨髄バンクの基本として、患者さんとドナーの相互の情報はお教えしないこととなっています。そのため、患者さんの移植後の経過はお知らせしていません。同様に、ドナーの方の詳細な情報についても、患者さんやその家族にはお知らせしていません。
Q. 患者さんに手紙や千羽鶴などのプレゼントを送りたいと思いますが?
A. 手紙は骨髄提供後1年以内に2回まで出すことができます。品物についてはたとえ千羽鶴などであってもお取り次ぎはしていません。