骨髄バンクに寄せられる、よくあるご質問「ドナー登録について」


このコーナーは日本骨髄バンク(http://www.jmdp.or.jp/)様のサイトから引用させていただきました。
骨髄バンクに寄せられる、よくあるご質問に対する回答を各項目ごとに掲載しています。不明な点がございましたら、まずはこちらをご確認ください。
こちらのページに掲載されていないご質問や、更に詳しい説明が必要な場合は「日本骨髄バンク」までお問い合わせください。

ドナー登録に関するお問い合わせ
icon_free_dial.gif0120-445-445(通話無料)

FAQ1バナー210×30.png

Q. 骨髄(こつずい)と脊髄(せきずい)はどう違うのですか?

A. 骨髄は骨の中心部にある造血組織で、血液(白血球、赤血球、血小板)はここで造られ、血管を通じて全身を巡ります。骨髄にある骨髄液(正確には造血幹細胞)を健康なドナーのものと入れ替えるのが骨髄移植です。脊髄は、脳から延びて背骨(脊椎管)の中を通っている中枢神経のことをいいます。骨髄移植とはまったく関係ありません。

Q. 骨髄はどこから採取するのですか?

A. 骨髄は骨盤を形成する大きな腰の骨(腸骨といいます)から注射器で採取されます。手術室でうつ伏せになった状態で、骨盤の背中側、ウエストの位置より少し下の腸骨に、専用の針を左右数十カ所刺して吸引します。皮膚の採取跡は通常、左右数カ所です。採取する量は通常500~1000mL(患者さんの体重に応じて採取量が決まります)で、所要時間は1~3時間です。

Q. 健康であれば54歳を超えても登録はできますか?

A. ドナー登録条件の年齢制限は、善意の人であるドナーの安全のために設けられています。54歳以上の方は、造血機能に問題はなくても、生活習慣病など健康上の理由でコーディネートが中止になる可能性が高くなると予想されるため、日本においてはドナー登録をご遠慮いただいています。なお、提供に向けてのコーディネート期間中に55歳の誕生日を迎えられた場合、コーディネート終了まで手続きは続行されます。ドナー登録が可能な年齢は、世界各国の骨髄バンクによって幅があります。

Q. 登録年齢が「18歳以上」となりましたが、骨髄提供はこれまで通り「20歳以上」なのはどうしてですか?

A. 日本で平成17年3月から「18歳以上」となったのは、国の審議会である造血幹細胞移植委員会で議論した結果で、登録に関しては問題がないという判断がなされました。適合検索と提供は従来どおり「20歳以上」としているのは、日本の法律で成人は20歳以上となっており、骨髄バンクではドナーの自由意思が尊重されるため、骨髄提供は成人が望ましいとされたからです。つまり、18歳以上20歳未満の方については現在、「予備登録」としての性格を持っているとご理解ください。

Q. 輸血を受けたことのある人がドナー登録できないのはなぜですか?

A. 血液を介して病原体に感染する危険性があるからです。現在の検査方法では検出できないウイルスや、未知のウイルスが介在している可能性が否定できないことから、献血の基準にならい、輸血歴のある方のドナー登録はご遠慮いただいています。

Q. ピアスを開けたあと1年間は献血ができないようですが、骨髄バンクもそうですか?

A. 骨髄バンクの登録は可能ですが、骨髄提供はご遠慮いただく場合があります。ここでも血液を介してのウイルス感染が問題になります。医療機関やディスポーザブルの器具(ピアッサー)等を他人と共用せず、実施1カ月後で局所の炎症がなければ献血可能です。ピアッサーを他人と共用している場合は、1年間献血や骨髄提供ができません。つまり、ピアスを開けるときどのような器具を用いて、どのように開けたかが判断の基準になるのです。

Q. 欧州に一定期間滞在していた人は献血ができないようですが、ドナー登録もできないのでしょうか?

A. ドナー登録は可能です。献血においては、例えば英国滞在の場合、それが1日であってもご遠慮いただいています。しかしながら、骨髄バンクへのドナー登録では、そうした制限が2005年6月に撤廃されました。骨髄バンク事業の特性から、厚生労働省がそのように決定したためです。

Q. ドナー登録に体重制限があるのはなぜですか?

A. 骨髄の採取は全身麻酔下において行われますが、一定の体重以下の方や、過度の肥満の方は、骨髄採取と麻酔に伴う副作用・合併症の程度が高まる傾向があり、また麻酔が効きにくかったり、逆に覚めにくかったりする場合があるため、ドナー登録をご遠慮いただいています。ドナー候補者になる段階で、男性で45kg未満、女性で40kg未満の方、そしてBMIが30以上の肥満の方は、骨髄提供ができません。BMIとは、[体重kg÷身長m÷身長m]で導き出されます。例えば、身長170cmで体重80kgの方は[80÷1.7÷1.7=27.68]となり、提供は可能です。

Q. 引っ越しや海外赴任などで連絡先が変わった場合はどうすればいいですか?

A. 登録後、引っ越しなどで連絡先が変更になった場合は、登録されている骨髄データセンター宛に、ハガキやファクスでお知らせください。お名前、新旧の住所、電話番号、性別、生年月日を必ず明記してください。また、長期間海外に赴任する場合は、骨髄データセンターにお知らせいただければ、ドナー登録保留の手続きを行います。帰国後、保留解除の手続きをしてください。

Q. 登録を取り消したいときはどうすればいいですか?

A. ドナー登録はコーディネート期間の一部を除き、いつでも取り消すことが可能です。登録されている骨髄データセンターへご連絡をお願いします。

Q. なぜ自分のHLA型を教えてもらえないのでしょうか?

A. HLA 型は、移植医療の現場において大変重要な情報です。これが一般的に公開されると臓器売買等が行われる心配や、骨髄バンクを含め公平な臓器提供の機構そのものが危うくなる可能性があるため、そうしたことを未然に防ぐ必要があることから、第三者はもちろんドナー登録者本人にも伝えないこととしています。ドナーのHLA型データは、患者さんとの適合検索のためと、個人情報を遮断したうえでデータ解析のために利用しており、それ以外に利用されることは絶対にありません。

平成17年4月施行の「個人情報の保護に関する法律」では、個人情報取扱事業者は個人データの開示請求が本人からあったとき、「開示しなければならない」と決められています。ただし、下記のケースに該当する場合は、「開示しないことができる」との定めがあり、ドナー登録者のHLA型データにかかわる個人情報取扱事業者(ここでは、当財団と日本赤十字社)は、この規定(法第25条)に準拠した扱いをしています。

1)本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合
2)当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合

Q. 提供時の休業補償はありますか?

A. 善意にもとづく骨髄提供ですので、登録や提供の際に仕事を休まれても、休業補償はありません。なお、官公庁や一部の企業などで「骨髄ドナー特別休暇制度」を導入しているところもありますので、ご希望の方には証明書を発行いたします。

Q. 骨髄提供に、家族の同意が必要なのはなぜですか?また、「家族の同意」の範囲はどこまでですか?

A. ドナー候補者は成人ですから、法的にはご家族の同意は必要ありませんが、実際にはご家族などの支援・協力が不可欠です。また骨髄提供の直前に、ご家族の強い反対でドナーが同意を撤回すると、患者さんは致命的な状況に陥ってしまいます。そうした最悪の事態を招かないためにも、ご家族の同意が必要です。最終同意面談は、未婚の方はご両親、既婚の方は配偶者の同席が原則です。同席者がいない場合や、やむをえない事情があるときは、コーディネート開始後、コーディネーターにご相談ください。

Q. ドナー登録や骨髄採取のための入院にあたって、費用はかかりますか?

A. 骨髄提供のための検査費用、入院費といった費用などは一切かかりません。ただし、ドナー登録手続きの際の交通費は自己負担となります。

Q. 採取後、すぐに仕事に復帰できますか?

A. 採取後は通常2~3日間入院し、安静に過ごしていただきます。通常は退院後から普通の生活に戻れますし、復職・復学が可能です。なお、しばらくの間、針を刺した個所は清潔に保ち、過度の運動は避けるようにしてください。

Q. 何度も骨髄提供することはできますか?

A. 造血機能は通常、1カ月で元に戻りますので、医学的には何度でも提供は可能ですが、日本の骨髄バンクでは現在、2回までとしています。なお、全身麻酔等によるドナーの身体への負担を考慮して、骨髄提供後1年間はドナー登録を保留とさせていただきます。提供から1年以上経過し、ドナー経験者が登録の継続を希望された場合には、新たな患者さんとの検索が可能になります。

Q. 過去に死亡事例はありますか?

A. 日本の骨髄バンクを介しての骨髄採取では、死亡事例は発生していません。しかし、過去に海外で3件(血縁者間2例、非血縁者間1例)、日本で1件(血縁者間)のドナーの死亡事例が報告されています。健康なドナーであっても通常の手術と同様に、麻酔中に緊急の処置を行う必要が起こる可能性がわずかにあります。そのため採取病院では、ドナーの安全を確保するため最大限の注意をはらい、万全の態勢で骨髄採取が行われています。

Q. ドナーが患者さんと面会することはできますか?

A. 骨髄バンクの公平な運営と、相互のプライバシー保護のため、面会は認めていません。ただし、個人が特定されない形であれば、骨髄移植推進財団を通じて手紙の交換が可能です。

Q. どのくらい骨髄を採りますか?また、骨髄は元にもどりますか?

A. ドナーの健康上、何パーセントの骨髄が採取されるかということよりも、どのくらいの血液量が失われるか(出血量)が重要になります。採取する骨髄の量(出血量)は、適合した患者さんの体重によって異なります。小児の場合200mLで済むこともありますし、大人では1000mLを超えることもありますが、ドナーの体重に応じて、安全な範囲が定められています。健常成人では、骨髄で赤血球が2000億個、白血球と血小板は日々1000億個生産されており、出血(骨髄採取≒出血)した場合などはその生産量が調整されて増加します。骨髄は採取後1カ月ほどで元の状態に戻りますし、その間、日常生活に支障はありません。

Q. 人間の体には、どれくらいの骨髄液があるのですか?

A. 体内にある骨髄液は、血液の中に幹細胞として混ざっている状態で存在します。ドナーから骨髄液として採取しているものは、「骨髄を循環している血液」を含んでおり、その量は血液の量の20%強を占めています。

Q. 骨髄は血液のように冷凍保存できないのでしょうか?

A. 不可能ではありませんが、冷凍すると骨髄の細胞の生存率が低下するため、採取した直後に移植するのが効果的と考えられています。したがって骨髄バンクでは、採取した骨髄液を24時間以内に患者さんに移植することとしています。

Q. DNA(遺伝子)タイピングとは何ですか?

A. 遺伝子配列を調べる検査方法で、HLA(白血球の型)の精密な型を確定でき、患者さんとの適合性を確認します。移植成績の向上に大きな成果を挙げています。

Q. HLA型が一致するのは非血縁者間では数百から数万人に一人とありますが、数百から数万と差が開くのはなぜですか?

A. 一致する差の大きさは、HLA型の出現頻度の差です。HLAの型は数万から数十万種類ありますが、日本人の型として珍しい型だと一致する確率が低くなります。逆に比較的よくある型だと、一致する確率も高くなります。

Q. ドナーリンパ球輸注療法(DLI)とはなんですか?

A. リンパ球が、感染症の原因細菌やウイルスを攻撃することを利用し、EBウイルス感染症などを発症した場合に、ドナーからのリンパ球を投与する治療法です。また患者さんの白血病細胞を攻撃することを利用し、再発した白血病等の移植患者さんに対してDLIを行います。骨髄バンクでは平成12年1月より、移植施設からの依頼によるDLIのための調整を進めています。

Q. 末梢血幹細胞移植(PBSCT)とはなんですか?骨髄バンクでは実施していないのですか?そうだとすればそれはなぜですか?

A. 末梢血幹細胞移植(PBSCT)とは、ドナーに造血幹細胞を増やすG-CSFという薬を4~5日投与して、血液中に流れ出す造血幹細胞を成分献血と同様の方法で採取し、それを患者さんに輸注するという治療法です。諸外国の骨髄バンクではすでに採用されているところもあります。ドナーにとっては、全身麻酔をかけなくてもよいというメリットがあり、また、患者さんにとっても移植後の造血機能の回復が早いという利点があります。しかし一方で、成分献血の際に気分が悪くなったり意識を失ったりする「血管迷走神経反射」と呼ばれる反応が起こる可能性がわずかにあり、またG-CSFという薬品の投与により、副作用がみられることが報告されています。我が国での非血縁ドナーからのPBSCTにつきましては、ドナーの副作用などについて研究が続けられていますが、具体的な実施時期や方法についてはまだ決定していません。

Q. さい(臍)帯血移植とは何ですか?

A. 母親と胎児を結ぶさい帯と、胎盤の中に含まれる血液をさい帯血といいます。さい帯血は通常、出産後に不要となりますが、血液細胞を造り出す基である「造血幹細胞」がたくさん含まれているので、これを患者さんに移植することによって、骨髄移植と同様の効果を得ることができます。移植成績については調査中です。

Q. 患者さんは骨髄移植で助かるのでしょうか?

A. 白血病など血液難病は、まず抗がん剤などによる治療(化学療法)が行われます。しかし、薬の治療では治癒が難しい場合、移植が選択されます。病気の種類や患者さんの年齢、移植の時期によって成績は異なり、100%助かるわけではありません。しかし、移植を待っている患者さんにとっては、骨髄バンクやドナーの存在が生きる希望となっています。

Q. HLAの座とはなんですか?

A. HLAは「白血球の血液型」で、ヒトの第6染色体の短腕部に遺伝子があり、「自分と他者」を識別するという免疫の機能を持っています。赤血球にA、B、O、AB型などがあるように、HLAには「A座」「B座」「C座」「D座」「DR座」などがあります。
これまで、骨髄バンクでは3座(HLA‐A、B、DR座)を調べていましたが、今後はHLA‐C座もドナー登録時から調べることとなりました。(8月検査実施分より)。

Q. どうして今までHLA‐C座を調べていなかったのに、調べることになったのですか?

A. 骨髄バンクが稼動し始めた当初の見解では、HLA‐C座は骨髄移植にはさほど重要と考えられていなかったのですが、骨髄バンクを通じて移植した患者とドナーのペアのHLAの適合度と移植の成績を解析した結果、HLA‐C座の適合度によっては(重症のGVHD(ドナーの幹細胞からできるリンパ球が移植を受けた患者のからだを攻撃する反応)を起こし、)移植成績に悪影響を及ぼすことがわかってきたためです。
また、ドナー登録時にHLA‐C座を検査することにより、ドナーが検索された時点で患者さんとの適合状況がわかり、早い段階で患者さんが希望するドナー候補者を決めることができるため、コーディネート期間の短縮が見込まれます。

Q. 今まで登録していたHLA‐C座データを持たないドナーはどうなるのですか?

A. 患者さんとの適合検索でドナー候補となった場合、確認検査時に他の検査と併せてHLA‐C座検査を実施しますので、改めて登録窓口で採血し、再登録する必要はありません。

Q. 検査が新たに追加されることになりますが、患者さんの金銭的負担は増えないのでしょうか?

A. 新規ドナー登録時とドナー確認検査時のHLA‐C座検査については、登録ドナーリタイピング検査業務として日本赤十字社で行われますので、HLA‐A、B、DR座と同様に患者負担金はありません。

前のページへ

|1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|13|14|15|16|

次のページへ

ドナー登録についてのFAQ

骨髄提供についてのFAQ

このコーナーは日本骨髄バンク(http://www.jmdp.or.jp/)様のサイトより引用させて頂きました。